★★★☆☆
web上で連載されていたのが、途中から雑誌連載に変わってしまったため、1巻から連続して読んでいるとこの3巻で「あれ?」となってしまうのが惜しい。
既に為されている説明をもう一度行っているため、正直続き物としては違和感が出てしまうのだ。
夏目漱石とその友人(正岡子規など)と弟子(寺田寅彦など)のエピソードを彼らが書き残した史料などから四コマ化した作品である。系図に誤りがある点などを後の巻で訂正していることがあるが、ああいう間違いは編集がチェックしないのだろうか?正直、こういう「史料に基づいた漫画」であるほど編集は厳しく確認すべきだと思うのだが。(マニアックな本でもあるから難しいのか?)
3、4巻は作家デビューした後がメインだが、たまにそれ以前のエピソードも混じっている。修善寺の大患が3巻の最後で始まり、4巻で漱石の死とその後までが描かれている。
人物紹介にいない弟子がかなり出番が多く、そのあたりは、「この人出番多いけど誰?」と余計な疑問を抱いたりするのでイマイチだったが、『夏目漱石』という文豪個人の魅力を知るのは良い本だ。
著者も最後に描いているが、夏目作品好きではなく、漱石ファンのための漫画である。この漫画で漱石の人柄を知ってから、作品にあたるのも良いだろう。
2013年01月20日
2011年07月17日
一度に三冊。
あと少しで最後の1冊が読み終わるからとアマゾンに本を探しに行ったら、いつも買っている漫画の続きが一度に三冊も出ていた。
「えっ!これ全部一度に!」.+:。ヽ(*'0'*)ツ ワオォ!!
週刊誌連載と違って、月刊誌連載は単行本化が遅い。
特に私が買っている少女漫画系の本は、2−3年に1冊単行本化がざらである。
それが一度に三冊も揃っているなんてことは、もの凄く珍しい。
ちなみに、その三冊は次の通りである。
『コメットさんにも華がある』川原泉
(「ーがある」シリーズが継続しているのは知っていたが、2006年からの連載が今頃単行本になるというのが…)
『花よりも花の如く』9 成田美名子
(漫画に使われる舞台が、学園もの→外国もの→日本もの、と典型的なルートを辿って回帰してきた漫画家さんの能漫画である。いよいよ道成寺の舞台予告が出た。ふふふ、楽しみ)
『お伽もよう綾にしきふたたび』2 ひかわきょうこ
(読み終わった瞬間、え?終わり…じゃないよね、とちょっと不安になった。が、ちゃんと読んだら、続き用の前振りがあって一安心。貴重な中世漫画にはまだまだ頑張ってもらいたい)
しかし、これだけ出揃ってしまうと、少なくともあと一、二年はこの三冊(特に川原泉本は)読めないってことだな。(ー'`ー ; )
「えっ!これ全部一度に!」.+:。ヽ(*'0'*)ツ ワオォ!!
週刊誌連載と違って、月刊誌連載は単行本化が遅い。
特に私が買っている少女漫画系の本は、2−3年に1冊単行本化がざらである。
それが一度に三冊も揃っているなんてことは、もの凄く珍しい。
ちなみに、その三冊は次の通りである。
『コメットさんにも華がある』川原泉
(「ーがある」シリーズが継続しているのは知っていたが、2006年からの連載が今頃単行本になるというのが…)
『花よりも花の如く』9 成田美名子
(漫画に使われる舞台が、学園もの→外国もの→日本もの、と典型的なルートを辿って回帰してきた漫画家さんの能漫画である。いよいよ道成寺の舞台予告が出た。ふふふ、楽しみ)
『お伽もよう綾にしきふたたび』2 ひかわきょうこ
(読み終わった瞬間、え?終わり…じゃないよね、とちょっと不安になった。が、ちゃんと読んだら、続き用の前振りがあって一安心。貴重な中世漫画にはまだまだ頑張ってもらいたい)
しかし、これだけ出揃ってしまうと、少なくともあと一、二年はこの三冊(特に川原泉本は)読めないってことだな。(ー'`ー ; )
2011年04月26日
『先生と僕』2 香日ゆら
★★★★☆
夏目漱石の4コマの2巻。
熊本時代とロンドン留学、我が輩はーでの作家デビューあたりが収録されている。
実在した人物を漫画で表現する際には、色々と手法があるが、私はこういう4コマでの体裁の方が好きである。無駄に大河っぽい作品は、大概、長くなるため、集め辛いし、漫画家の個性が出過ぎるきらいがある。
4コマの方が、実は情報が凝縮されていて、当人についてのあれこれが知り易い。
ので、私は歴史好きであるが、歴史漫画は滅多に読まないし、集めない。
今もこの本くらいしか買っていない。
夏目漱石は、小説より、当人自身とその時代の風俗に興味・関心があって、関連本をだいぶ読んだのだが、つい最近、ええ!?と驚く情報があった。
徳川家康の家臣に、夏目次郎左衛門吉信という人がいる。
この人が、三方ヶ原の戦いで家康が惨敗したときに、家康の甲と馬を奪い、家康の身代わりになって戦死している。
この夏目さんが、漱石の祖先だというのだ。
この情報があったのは、wikipedia。
今まで何冊か夏目漱石関連本を読んでいるが、そんな情報に出会った覚えがない。(多分)
本当か?と実は疑っているのだが、明治に帝大に入った人は、大概、士族階級出身なのだ。
ううむ、まさか、夏目漱石まで徳川家康関連だとは…。(ー'`ー ; )
私が歴史上で「気に入る」人は、何故かこの人絡みが多い。
夏目漱石の4コマの2巻。
熊本時代とロンドン留学、我が輩はーでの作家デビューあたりが収録されている。
実在した人物を漫画で表現する際には、色々と手法があるが、私はこういう4コマでの体裁の方が好きである。無駄に大河っぽい作品は、大概、長くなるため、集め辛いし、漫画家の個性が出過ぎるきらいがある。
4コマの方が、実は情報が凝縮されていて、当人についてのあれこれが知り易い。
ので、私は歴史好きであるが、歴史漫画は滅多に読まないし、集めない。
今もこの本くらいしか買っていない。
夏目漱石は、小説より、当人自身とその時代の風俗に興味・関心があって、関連本をだいぶ読んだのだが、つい最近、ええ!?と驚く情報があった。
徳川家康の家臣に、夏目次郎左衛門吉信という人がいる。
この人が、三方ヶ原の戦いで家康が惨敗したときに、家康の甲と馬を奪い、家康の身代わりになって戦死している。
この夏目さんが、漱石の祖先だというのだ。
この情報があったのは、wikipedia。
今まで何冊か夏目漱石関連本を読んでいるが、そんな情報に出会った覚えがない。(多分)
本当か?と実は疑っているのだが、明治に帝大に入った人は、大概、士族階級出身なのだ。
ううむ、まさか、夏目漱石まで徳川家康関連だとは…。(ー'`ー ; )
私が歴史上で「気に入る」人は、何故かこの人絡みが多い。
2010年11月27日
『お伽もよう綾にしき』ふたたび1 ひかわきょうこ
★★★☆☆
続きが出ると前の『お伽もよう』の最終巻にあったが、予想外に早く「ふたたび」が出ていた。
昨今は、漫画でも何でも「続き」がある、出る、と言いつつ、なかなか出ないことが多いだけに、流石にひかわきょうこは違う、と関心してしまった。
完全に続編で、キャラ・設定に変更もない。
応仁の乱以後の日本を舞台としたもののけ漫画のままである。
前回、全く分からなかったおじゃる様の正体やら何やらが今回は判明しそうであり、舞台も京に移るようで、応仁の乱以後の京を著者がどう描写するかが楽しみだ。
日本の中世は、服装も髪型も、設定も、かなりいじれる時代なのだから、もっとこの時代を舞台とした小説や漫画が出るといいのになあ。
ただ、著者もあとがきに描いていたが、『歴史』ものをちゃんと描こうとすると、絶対に歴史を『遡(さかのぼ)る』必要があるため、勉強しないで描くのはもっての他である。
続きが出ると前の『お伽もよう』の最終巻にあったが、予想外に早く「ふたたび」が出ていた。
昨今は、漫画でも何でも「続き」がある、出る、と言いつつ、なかなか出ないことが多いだけに、流石にひかわきょうこは違う、と関心してしまった。
完全に続編で、キャラ・設定に変更もない。
応仁の乱以後の日本を舞台としたもののけ漫画のままである。
前回、全く分からなかったおじゃる様の正体やら何やらが今回は判明しそうであり、舞台も京に移るようで、応仁の乱以後の京を著者がどう描写するかが楽しみだ。
日本の中世は、服装も髪型も、設定も、かなりいじれる時代なのだから、もっとこの時代を舞台とした小説や漫画が出るといいのになあ。
ただ、著者もあとがきに描いていたが、『歴史』ものをちゃんと描こうとすると、絶対に歴史を『遡(さかのぼ)る』必要があるため、勉強しないで描くのはもっての他である。
2010年11月23日
『先生と僕1』夏目漱石を囲む人々 香日ゆら
★★★★☆
Yhoo!コミックで連載されている夏目漱石4コマの単行本である。
当初は全ての話が無料で閲覧できたが、今は一話と最新のものしか見ることができない。私はYhoo!コミックに掲載される前から、著者の夏目漱石4コマを読んでいたので、Yhoo!での連載を見て、驚いた。(「え!メジャーデビュー!」Σ( ̄□ ̄;))
私は夏目漱石の小説はあまり読まない(『三四郎』『我が輩ー』『夢十夜』くらい)くせに、「夏目漱石についての本」は割とよく読む。
夏目漱石とその時代に関心があったが故の選択であったが、夏目漱石の研究書は「尽きない」のも面白かった。(正直、多すぎると思うくらいある)
いつだったか、日英同盟に寄せた漱石のコメントもこの文豪に惹かれた理由であったと思う。
漫画の内容はMACでない限り、Yhoo!で確かめられるので割愛する。
ただ、これを読んでから明治ー昭和の文豪作品にあたると、今までとっつきにくかった文学作品群が少々読みやすくなるのではないだろうか。
帯にはちゃんと「漱石の孫」の推薦もあり、4コマで触れられている作品(2作)や手紙(2通)も中に引用されている。
私は現在の歴史ブームには全くと言っていいほど好感を持ってないのだが、こういう形でこういう本が出るのなら、少し譲ってやってもいい、と、ほんの少しだけ思った。
Yhoo!コミックで連載されている夏目漱石4コマの単行本である。
当初は全ての話が無料で閲覧できたが、今は一話と最新のものしか見ることができない。私はYhoo!コミックに掲載される前から、著者の夏目漱石4コマを読んでいたので、Yhoo!での連載を見て、驚いた。(「え!メジャーデビュー!」Σ( ̄□ ̄;))
私は夏目漱石の小説はあまり読まない(『三四郎』『我が輩ー』『夢十夜』くらい)くせに、「夏目漱石についての本」は割とよく読む。
夏目漱石とその時代に関心があったが故の選択であったが、夏目漱石の研究書は「尽きない」のも面白かった。(正直、多すぎると思うくらいある)
いつだったか、日英同盟に寄せた漱石のコメントもこの文豪に惹かれた理由であったと思う。
漫画の内容はMACでない限り、Yhoo!で確かめられるので割愛する。
ただ、これを読んでから明治ー昭和の文豪作品にあたると、今までとっつきにくかった文学作品群が少々読みやすくなるのではないだろうか。
帯にはちゃんと「漱石の孫」の推薦もあり、4コマで触れられている作品(2作)や手紙(2通)も中に引用されている。
私は現在の歴史ブームには全くと言っていいほど好感を持ってないのだが、こういう形でこういう本が出るのなら、少し譲ってやってもいい、と、ほんの少しだけ思った。
2010年06月07日
『聖☆お兄さん』 中村光
★★★★☆
幼稚園がお寺(浄土宗)、小学生の時には隣家で仏教関係の漫画を読みふけり、高校はカトリック(キリスト教)の女子校に通った私には、この本の元ネタがよく分かった。
仏教とキリスト教の開祖を現代日本に住まわせて、ギャグ漫画を描くのも面白いが、元ネタがちゃんと聖書や仏教説話から取られているのが、いい。
漫画の中で、イエスが弟子の名前かぶりを嘆く場面があったが、その弟子の名前から子供の名を付ける欧米でも、その状況は同じだ。しかも、先々代あたりの名前を好んで子供に付けるもんだから、歴史上の人物の名前かぶりが激しい。また、この名前かぶりは、イスラームでも同じである。神が唯一になると、名前のバリエーションが減る必然性が生じるのだろうか。
アメリカでも宗教の開祖をアニメなどに使っている。
ただ、欧米の場合は、宗教がらみはブラックユーモアになりがちである。
この漫画のブッダとイエスは、日常的でほのぼのしている。日常に奇跡を起こす聖人らを絡めることで、笑いを作り出している。
これは日本ならではの荒技だろう。
日本人にとっては、特定宗教の開祖も、京都に走る四つ葉のタクシーと同レベルの有り難さなんだろうなあと、つくづく思わせる漫画である。
続きはこちら
幼稚園がお寺(浄土宗)、小学生の時には隣家で仏教関係の漫画を読みふけり、高校はカトリック(キリスト教)の女子校に通った私には、この本の元ネタがよく分かった。
仏教とキリスト教の開祖を現代日本に住まわせて、ギャグ漫画を描くのも面白いが、元ネタがちゃんと聖書や仏教説話から取られているのが、いい。
漫画の中で、イエスが弟子の名前かぶりを嘆く場面があったが、その弟子の名前から子供の名を付ける欧米でも、その状況は同じだ。しかも、先々代あたりの名前を好んで子供に付けるもんだから、歴史上の人物の名前かぶりが激しい。また、この名前かぶりは、イスラームでも同じである。神が唯一になると、名前のバリエーションが減る必然性が生じるのだろうか。
アメリカでも宗教の開祖をアニメなどに使っている。
ただ、欧米の場合は、宗教がらみはブラックユーモアになりがちである。
この漫画のブッダとイエスは、日常的でほのぼのしている。日常に奇跡を起こす聖人らを絡めることで、笑いを作り出している。
これは日本ならではの荒技だろう。
日本人にとっては、特定宗教の開祖も、京都に走る四つ葉のタクシーと同レベルの有り難さなんだろうなあと、つくづく思わせる漫画である。
続きはこちら
2009年03月10日
『お伽もよう綾にしき』5巻 ひかわきょうこ
★★★☆☆
本屋で見掛けて手に取った時に、「完結」とあって驚いた。
とても5巻で終わるような内容には思えなかったのだが、この巻で敵も倒され、主人公のヒロインも結ばれて、本当に終わっていた。
どうも作者の体調不良等の事情もあって、少々急いで終わったようだ。
ただ、やはり書き残したことがあるらしく、続編が出るとのこと。
日本中世ものは少ないので、続編も楽しみに待ちたい。
この5巻で感心したのは、後半の戦の部分である。
「知らせを受けて(中略)我ら二十騎まかりこしましたぞ」
「近いゆえ一番のりじゃ 身上が小さきゆえわずか八騎でござるが」
などの会話は、当時の兵力事情にきちんと添っている。
万単位の兵力なぞ、中世にはよほどの大戦でないと集まらない。
あちこちからちょっとずつ(数騎から数百騎)集めて、やっと千単位になる、のが、実状であった。
オーバーにされがちなこういう部分が、リアルなのが嬉しい。
担当の編集さんが日本史に詳しい方になって助かったと作者も書いている。
編集は作家より作品について勉強しなきゃならんハズなんだが、最近はそうでもないのかな。
本屋で見掛けて手に取った時に、「完結」とあって驚いた。
とても5巻で終わるような内容には思えなかったのだが、この巻で敵も倒され、主人公のヒロインも結ばれて、本当に終わっていた。
どうも作者の体調不良等の事情もあって、少々急いで終わったようだ。
ただ、やはり書き残したことがあるらしく、続編が出るとのこと。
日本中世ものは少ないので、続編も楽しみに待ちたい。
この5巻で感心したのは、後半の戦の部分である。
「知らせを受けて(中略)我ら二十騎まかりこしましたぞ」
「近いゆえ一番のりじゃ 身上が小さきゆえわずか八騎でござるが」
などの会話は、当時の兵力事情にきちんと添っている。
万単位の兵力なぞ、中世にはよほどの大戦でないと集まらない。
あちこちからちょっとずつ(数騎から数百騎)集めて、やっと千単位になる、のが、実状であった。
オーバーにされがちなこういう部分が、リアルなのが嬉しい。
担当の編集さんが日本史に詳しい方になって助かったと作者も書いている。
編集は作家より作品について勉強しなきゃならんハズなんだが、最近はそうでもないのかな。
2008年03月11日
『コランタン号の航海2』水底の子供 山田睦月
★★★☆☆
『後宮』の5巻を探しに本屋に行ったのだが、それには出会えず、この『コランタン号ー』2巻を見つけた。
英国海軍に所属するコランタン号はカンペール伯を救い出すために、フランスへと向かった。しかし、救助に向かったルパートらは、ナポレオン配下のベシャールの罠に嵌まり、海上のコランタン号は嵐に襲われる。罠からは抜け出したものの、船に戻る途中、ルパートが海に落ち・・。
というのが、1巻の最後であった。
イスの伝説が1巻で持ち出されていたし、タイトルの「水底ー」でともあったから、2巻の冒頭は予想が付いていた。
思った通り、海に落ちたルパートは水底で1人の子供に出会う。
だが、その後の展開は1部、こちらの予想を裏切った。
「子供」がそう繋がるとは思ってなかったよ。
「水底の子供」はこの巻で終了。
おまけのスペースに「連載は今回でおしまい」とあったため、一瞬、え?こんな半端な状態で『コランタン号ー』終わりなの?と驚いたのだが、終わったのは「水の子供」というパートだけで、この帆船ものはまだまだ続くようだ。
『コランタン号ー』は、「ファンタジー」と「海軍」とを組み合わせた、ある意味、とても「英国らしい」漫画である。
VSナポレオン(フランス)を軸に今後、常世と帆船がどう関わっていくかが、1巻より愉しみになった2巻である。
『後宮』の5巻を探しに本屋に行ったのだが、それには出会えず、この『コランタン号ー』2巻を見つけた。
英国海軍に所属するコランタン号はカンペール伯を救い出すために、フランスへと向かった。しかし、救助に向かったルパートらは、ナポレオン配下のベシャールの罠に嵌まり、海上のコランタン号は嵐に襲われる。罠からは抜け出したものの、船に戻る途中、ルパートが海に落ち・・。
というのが、1巻の最後であった。
イスの伝説が1巻で持ち出されていたし、タイトルの「水底ー」でともあったから、2巻の冒頭は予想が付いていた。
思った通り、海に落ちたルパートは水底で1人の子供に出会う。
だが、その後の展開は1部、こちらの予想を裏切った。
「子供」がそう繋がるとは思ってなかったよ。
「水底の子供」はこの巻で終了。
おまけのスペースに「連載は今回でおしまい」とあったため、一瞬、え?こんな半端な状態で『コランタン号ー』終わりなの?と驚いたのだが、終わったのは「水の子供」というパートだけで、この帆船ものはまだまだ続くようだ。
『コランタン号ー』は、「ファンタジー」と「海軍」とを組み合わせた、ある意味、とても「英国らしい」漫画である。
VSナポレオン(フランス)を軸に今後、常世と帆船がどう関わっていくかが、1巻より愉しみになった2巻である。
2007年10月30日
『コランタン号の航海』水底の子供1 山田睦月
★★★☆☆
(つい、コンランタンと言いたくなるのは何でだろう。)
ルパート海尉は、英国海軍に所属するフリゲート艦コランタン号に配属された。コランタン号は、英国海軍、いや、七つの海で有名な船である。現実主義者のルパートは信じないが、この船は「出る」のだ。
時はナポレオン戦争の最中で、英仏は世界中の海で睨み合い、戦っている。
映画『マスター&コマンダー』と同じ時代設定であり、この映画以来英国海軍ものには敏感になっている上に、よく買い求める山田睦月さんの作品ということで、(私にしては)早く手に入れた。
少女漫画で英国海軍ものって他にあっただろうか。脇ではいたような気がするが、主役というのは初めて見た。
かなり海軍情報を仕入れた上での作品である。1話と1話の間に解説の小さいコマ漫画も入っていて、(そんな人がどれだけいるか知らないが)英国海軍について知りたい人には楽しい漫画である。
私は『マスター&コマンダー』以来ちょろちょろ情報を集めていたので、だいたい既知のネタだった。
王党派フランス人貴族の救出の任されたコランタン号が、コランタン号にとって「不吉」な海域へ出航した。
そこで待ち受けていたのは…。
で、1巻が終わっている。
イスの伝説もからめてくるようで、「出る」不思議船コランタン号は海軍らしくフランスと戦うだけの船ではないようだ。
呪い師のような船医、ガテン系の海兵隊長、一見のほほんとしている艦長さん、アフリカでは神様だったお猿など、バラエティ豊かな乗組員との船内描写も楽しい。(1巻ではこの船内描写がメインになっている)
(つい、コンランタンと言いたくなるのは何でだろう。)
ルパート海尉は、英国海軍に所属するフリゲート艦コランタン号に配属された。コランタン号は、英国海軍、いや、七つの海で有名な船である。現実主義者のルパートは信じないが、この船は「出る」のだ。
時はナポレオン戦争の最中で、英仏は世界中の海で睨み合い、戦っている。
映画『マスター&コマンダー』と同じ時代設定であり、この映画以来英国海軍ものには敏感になっている上に、よく買い求める山田睦月さんの作品ということで、(私にしては)早く手に入れた。
少女漫画で英国海軍ものって他にあっただろうか。脇ではいたような気がするが、主役というのは初めて見た。
かなり海軍情報を仕入れた上での作品である。1話と1話の間に解説の小さいコマ漫画も入っていて、(そんな人がどれだけいるか知らないが)英国海軍について知りたい人には楽しい漫画である。
私は『マスター&コマンダー』以来ちょろちょろ情報を集めていたので、だいたい既知のネタだった。
王党派フランス人貴族の救出の任されたコランタン号が、コランタン号にとって「不吉」な海域へ出航した。
そこで待ち受けていたのは…。
で、1巻が終わっている。
イスの伝説もからめてくるようで、「出る」不思議船コランタン号は海軍らしくフランスと戦うだけの船ではないようだ。
呪い師のような船医、ガテン系の海兵隊長、一見のほほんとしている艦長さん、アフリカでは神様だったお猿など、バラエティ豊かな乗組員との船内描写も楽しい。(1巻ではこの船内描写がメインになっている)
2007年09月30日
『後宮』1ー4巻 海野つなみ
★★★☆☆
キャラクターの見分けが尽き辛い絵柄で髪型のバリエーションが(超)少ない中世の後宮を描いているため、ふと気を緩めると、誰が誰だか分からなくなる。後深草院女房二条が書いた『とはずがたり』をもとにした少女漫画である。
後深草院は、天皇家内部対立「持妙院統vs大覚寺統」を始めた天皇として知られている。父の後嵯峨が弟の亀山を偏愛したのが、その対立原因だ。父親が弟の方を可愛がったから、兄が拗ねてお家分裂!というのは、日本のお家芸の1つだ(と思う)。保元の乱もそうだったし、争乱には到らなかったが、江戸幕府の3代将軍家光の時にも似たような危機があった。
後深草院からの分裂は、後々、あの後醍醐天皇と南北朝時代へと繋がる。
『後宮』の主役は後深草院のお手付き女房二条であるが、後深草院にもかなり踏み込んで描いている。少女漫画なので、政治的な対立にはさほどページを裂いてはいない。彼の屈折した内面は二条への歪んだ愛情として表されている。
二条は幼少時より後深草の手元で育てられ、院を父とも兄とも慕っていたが、十四の時、その院に強引に手折られてしまう。妃の1人として、院の後宮に入るものの、彼女には将来を誓った初恋の君がいて…。
二条は院以外の男性とも関係を持ち、それが夫である院公認となったりして、話の内容は、完全に昼ドラ展開である。(当時の貴族らしく、二条が直ぐ出家しようと考える点は除く)
しかし、この泥沼後宮恋愛漫画の良いところは、考察と描写が行き届いている点である。登場人物は全員黒髪。坊主はつるつる。宮中の行事も描き、扉ページは毎回鎌倉時代の民俗(台盤所、十三夜、舞姫など)である。時系列が飛ぶ『とはずがたり』を整理して、時系列順に並び変え、主語が不明な文章を考察して、無難な結論を画として表す。
『とはずがたり』自体を読んだことがないため、本当に感心して良いものかイマイチ自信はないが、歴史風俗ものとしていい出来だなあと思う。
次の5巻で終わりだそうなので、私が読みたかった平頼綱とその妻とのちょっとした交流は漫画にはならないようだ。
(読み始めた動機がそれだったので、ちょっと残念)
続きはこちら
キャラクターの見分けが尽き辛い絵柄で髪型のバリエーションが(超)少ない中世の後宮を描いているため、ふと気を緩めると、誰が誰だか分からなくなる。後深草院女房二条が書いた『とはずがたり』をもとにした少女漫画である。
後深草院は、天皇家内部対立「持妙院統vs大覚寺統」を始めた天皇として知られている。父の後嵯峨が弟の亀山を偏愛したのが、その対立原因だ。父親が弟の方を可愛がったから、兄が拗ねてお家分裂!というのは、日本のお家芸の1つだ(と思う)。保元の乱もそうだったし、争乱には到らなかったが、江戸幕府の3代将軍家光の時にも似たような危機があった。
後深草院からの分裂は、後々、あの後醍醐天皇と南北朝時代へと繋がる。
『後宮』の主役は後深草院のお手付き女房二条であるが、後深草院にもかなり踏み込んで描いている。少女漫画なので、政治的な対立にはさほどページを裂いてはいない。彼の屈折した内面は二条への歪んだ愛情として表されている。
二条は幼少時より後深草の手元で育てられ、院を父とも兄とも慕っていたが、十四の時、その院に強引に手折られてしまう。妃の1人として、院の後宮に入るものの、彼女には将来を誓った初恋の君がいて…。
二条は院以外の男性とも関係を持ち、それが夫である院公認となったりして、話の内容は、完全に昼ドラ展開である。(当時の貴族らしく、二条が直ぐ出家しようと考える点は除く)
しかし、この泥沼後宮恋愛漫画の良いところは、考察と描写が行き届いている点である。登場人物は全員黒髪。坊主はつるつる。宮中の行事も描き、扉ページは毎回鎌倉時代の民俗(台盤所、十三夜、舞姫など)である。時系列が飛ぶ『とはずがたり』を整理して、時系列順に並び変え、主語が不明な文章を考察して、無難な結論を画として表す。
『とはずがたり』自体を読んだことがないため、本当に感心して良いものかイマイチ自信はないが、歴史風俗ものとしていい出来だなあと思う。
次の5巻で終わりだそうなので、私が読みたかった平頼綱とその妻とのちょっとした交流は漫画にはならないようだ。
(読み始めた動機がそれだったので、ちょっと残念)
続きはこちら